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妊娠3ヶ月とは、妊娠8~11週までをさします。妊娠の初期にあたり、ほとんどの妊婦さんはつわりがピークになる頃です。この時期の赤ちゃんの様子はどうなっていて、お母さんの体にはどのような変化が現れているのでしょうか。それぞれみていきましょう。
妊娠3ヶ月(8~11週)の赤ちゃんの発育
胎児の大きさ
身長:約5cm
体重:約30g
イチゴ(大)くらいの重さ
8週頃になると、赤ちゃんはエラやしっぽのある胎芽(たいが)から、胎児へと変わってきます。鼻や口、唇などの顔のパーツがほぼ完全な形になってきて、膀胱(ぼうこう)や尿道が作られるようになります。
10週頃には、見た目が明らかに人のようになってきて、赤ちゃんは口を開いたり閉じたり、あくびをしたりします。この頃の赤ちゃんは頭がとても大きく、頭の先からおしりの約半分を頭がしめています。
妊娠3ヶ月(8~11週)のお母さんの体の変化
3ヶ月になると、お母さんの乳房や子宮が大きくなりはじめ、11週頃には妊婦らしい体つきになってきます。血液の量が増加するなどして体重が増えたり、不快な暑さを感じたりすることもあります。腟(ちつ)の分泌物が増えたり、乳頭や乳輪が黒ずんで色素沈着が目立つようになったり、顔にシミができたりすることもありますが、これらはホルモンの変化の影響からです。
また、3ヶ月の終わり頃になると、つわりの症状である吐き気が徐々に減り、食欲が回復して、少しずつ疲れやすさもおさまってくることが多いでしょう。
妊娠初期に気をつけること
妊娠すると、女性の体には大きな変化があります。赤ちゃんが元気に育つためにも、普段の生活の中で注意したいことや、ホルモンバランスの変化などで起こる妊娠特有の症状についても知っておきましょう。
もし便秘になったら?
妊娠すると便秘になる妊婦さんが多くいます。妊娠初期の便秘の原因は、子宮の収縮を抑えるホルモンが腸の動きを弱める、つわりでたくさん食べることができない、といったことにあります。便秘解消のため、食べられるときはしっかりと食べて、水分を多めにとることを心がけましょう。
また、便秘だからといって、自己判断で市販の下剤を服用しないようにしましょう。便秘薬の中には妊娠中に飲まない方が良いものもあります。そして、放っておくと、肛門の周辺を子宮が圧迫し、血流が悪くなることでいぼ痔になったり、強くいきみすぎて切れ痔になったりすることもあります。医師に相談して早めに対応しましょう。
頻尿かも?と思ったら
妊娠するとトイレに行きたくなる回数が増える人が多いのですが、1日に8回以上尿意があり、トイレに行くのは頻尿です。8回以下であっても通常より回数が多ければ頻尿といえるでしょう。頻尿自体は病気ではありませんが、尿が残っていると膀胱炎(ぼうこうえん)などの感染症の場合もあるため、気になるときは医師に相談しましょう。
妊婦のメンタルヘルスケアは?
妊娠するとホルモンのバランスが大きく変化します。特に初めての妊娠では、これまで経験したことのないようなさまざまな体の変化に驚き、不安を感じることも多いでしょう。
無事に出産できるのか、子育てがうまくできるのか、仕事へ復帰はできるのか、など、一人で考えてしまうことが多いかもしれません。そんなときは、パパや家族など、身近な人と気持ちを共有したり、話を聞いてもらうとよいかもしれません。家事を分担してもらったり、一緒に両親学級や妊婦健診に行ったりするのもおすすめです。メンタルが弱っている時は特に、ひとりでかんばりすぎないでくださいね。
妊娠したら知っておきたいこと
妊娠中は、口に入れるものにも気を使うことでしょう。今回は、注意が必要な飲み物とビタミン、飲んでもいいサプリメントについてご紹介します。
妊娠中に注意が必要な飲み物
カフェインは、胎盤を通して胎児にも送られてしまうため、コーヒーや紅茶、緑茶を大量に飲むのはやめておきましょう。ハーブティーはノンカフェインですが、妊娠中は飲んではいけないものもあるため、医師に相談しましょう。
妊娠中に注意が必要なビタミン
ビタミンAを摂りすぎると、胎児の形態異常が起こる可能性があります。食物中のビタミンAには、動物性由来のレチノール型ビタミンAと緑黄色野菜などに含まれるβカロテンの2種類があります。レチノール型ビタミンAは、過剰に摂取すると体内に蓄積され、胎児の形態異常が起こる可能性があります。ウナギやレバーなどレチノール型ビタミンAを多く含む食品はほどほどに。
妊娠中に飲んでよいサプリメント
サプリメントは薬ではありません。そのため、自己判断でサプリメントを選ぶ人もいるかもしれませんが、法規制で厳しく定められている薬よりも品質や規格などがさまざまです。また、成分によってはママや赤ちゃんに影響があるものもあります。自然由来で良さそうに思える成分のなかにも影響が出るものもありますので、妊娠中にサプリメントを飲む場合は、医師に相談するようにしましょう。
厚生労働省では、妊活中から妊娠初期にかけて、1日あたり食品から240㎍の葉酸に加え、サプリメント等で400㎍の葉酸の摂取を推奨しています。葉酸は、妊娠前から妊娠中にかけて、サプリメントを上手に活用して摂るとよいでしょう。最新の産婦人科のガイドラインでは、葉酸サプリメントは妊娠中を通じて飲んでも良いとされています。
エレビットは葉酸はもちろん、妊活・妊娠中に必要な栄養が配合されたマルチビタミンサプリメントです。バランスのとれた食事にくわえて、上手に葉酸はじめビタミン・ミネラルをしっかり補給することができます。
妊娠しているとわかったら、妊娠中ずっと気をつけたいことや、やっておくこと
定期的な妊婦健診を受けましょう
妊娠したら、出産するまでの間、病産院で妊婦健診を受けることになります。厚生労働省は、標準的な妊婦健診として、妊娠初期~23週は4週に1回、妊娠24~35週では2週に1回、36週から出産までは1週間に1回の定期的な健診を推奨しています。
職場には早い段階で報告しましょう
妊娠がわかったら、職場に妊娠を報告しましょう。出張や体を激しく使う業務などを行わないなど、配慮してもらえるように相談してくださいね。産休の取得は、予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から可能です。
母子健康手帳をもらいましょう
母子健康手帳は、妊婦健診や乳幼児健診などを記録したり、予防接種の接種状況などを記載したりする手帳です。母子手帳がもらえるのは、住んでいる地域の保健センターや市役所、町村役場などです。妊娠届出書を提出して手帳を受け取りましょう。
妊娠に気づいてもらえるようマタニティマークをつけましょう
マタニティマークとは、妊娠中であることをわかってもらうためのもので、鉄道会社で配ったり、自治体で母子健康手帳と一緒に配ったりしています。妊娠初期はお腹が目立たないため、マタニティマークをつけて「お腹に赤ちゃんがいる」ということを周りに知ってもらいましょう。
インフルエンザなどの予防接種はどうする?
予防接種には、妊娠中には受けてもいいものと受けてはいけないものがあります。予防接種を受ける際は、必ず医師に相談しましょう。たとえば、妊娠中のインフルエンザの予防接種は推奨されています。しかし、風疹は生ワクチンのため、受けることができません。
レントゲン検査をしてもいい?
レントゲンを撮影する場合は、医師に妊娠中であることを伝えましょう。放射線量はわずかなので、医師が認めた場合は問題ないでしょう。お腹につけるプロテクターもありますので、もし心配であればお願いしてもいいですね。
妊娠中の薬について
妊娠中は薬を飲むことに対して不安に思う人もいるでしょう。妊娠中に服用すると危険な薬というのはそれほど多くありません。病気や何か症状がある場合は、それを治すことも大切です。医師から処方された薬については、自己判断で中止しないできちんと服用しましょう。
薬の服用を特に注意したいのは、赤ちゃんの大切な器官ができる妊娠4~7週です。この期間に一定の薬を服用すると、臓器機能に先天異常を起こす可能性があり注意が必要です。また、妊娠8週以降であっても、赤ちゃんに影響がないとはいえません。市販薬を服用する場合は、医師に相談するようにしましょう。
パパが気をつけること
妊娠がわかると、パパになるうれしさとともに不安や戸惑いを感じることでしょう。赤ちゃんを産むのはママですが、出産はふたりで乗り越えていくもの。赤ちゃんが誕生したらふたりで力を合わせて育てていく、という気持ちがパパにも必要です。無事に赤ちゃんが生まれるよう、妊娠初期からふたりの心をひとつにして新しい命を育んでいきましょう。
ふたりで妊婦健診や、両親学級に行ったり、一緒にベビー用品を選んでみたりするのもおすすめです。パパ・ママになる準備を一緒に楽しみましょう。
また、妊娠すると初期の段階からつわりや体調の変化により、ママは不安やつらさ、イライラを感じることが増えます。そんなとき、パパは広い心をもってママの話を聞き、不安を受け止めることを心がけましょう。
監修
1998年愛媛大学医学部附属病院 産婦人科准教授を経て、 2005年に愛媛県立中央病院 産婦人科主任部長。2012年より愛媛県立中央病院 総合周産期母子医療センター長、2019年より医療法人竹村医学研究会 小阪産病院院長を務めた後、小池病院勤務。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2022/Feb/15 | CH-20220201-04