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【連載第3回前編】日本人の食事摂取基準 2025年版で何が変わった? ― 脂溶性ビタミン
2026年4月16日
脂質は、たんぱく質、炭水化物と並ぶ3大栄養素の1つです。連載第1回でご紹介した通り、日本人の食事摂取基準 2025年版では脂質の一部を構成する脂肪酸の数値が更新されました。特に「脂肪酸」は脂質の主成分であり、健康や赤ちゃんの発育にも深く関わっています。今回は、脂肪酸の種類とその重要性について解説します。
ビタミンとは?
ビタミンは、エネルギーや体の組織をつくるのを助け、生殖機能や免疫機能などの体の機能を維持する作用があり、妊活中の方にとても重要です。三大栄養素に比べて、必要量は少なく微量栄養素と言われますが、人間にとって必要不可欠な栄養素です。必要な量は少ないものの、体の中では十分に作ることができないため、食事からしっかり摂る必要があります。
ビタミンは全部で13種類あり、4つの脂溶性ビタミンと9つの水溶性ビタミンに分類されます。
連載第3回前編では、2025年版で、脂質の指標には変更はありませんでしたが、脂質の一部を構成する脂肪酸の目安量の数値が更新されています。あった脂溶性ビタミンについてご説明します。
●ビタミンA ― 皮膚の健康と視覚機能をサポート。摂りすぎには注意。主に3~17歳の女性の耐容上限量が一部変更。
ビタミンAは、レバーやうなぎなどの動物性食品に含まれるから摂取できるレチノールと、ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれるβ(ベータ)-カロテンから摂ることができます。レチノールはビタミンAの形態の1つで、β-カロテンなどのプロビタミンAカロテノイドは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは、体の粘膜や皮膚を乾燥から守り健康を保つ働きがあるため、免疫系の正常な機能の維持に役立ちます。子供の健康な発育にも不可欠です。
また、ビタミンAは、目の網膜にあるロドプシンの生成には不可欠な栄養素なため、その不足は成人では、暗がりで目が見えにくくなり、進行すると夜盲症を発症すると言われています。乳幼児では角膜乾燥症から失明に至る危険性が指摘されています。
一方で、ビタミンAの過剰摂取は、肝臓障害等を引き起こすリスクが高まると言われています。肝臓障害を回避する目的で、耐容上限量※1が定められています。主に3~17歳の女性の耐容上限量の数値が一部変更になりました。また、妊娠中の女性が過剰摂取すると、胎児への影響が指摘されていますので、摂りすぎに注意しましょう。
普通の食事で摂りすぎることは考えにくいですが、妊活・妊娠中で心配な方は、緑黄色野菜に含まれるカロテンは、体が必要な量だけビタミンAに変換されるため、野菜からの摂取は過剰になりにくく安心です。
●ビタミンD ― 骨や歯の形成に寄与。少し増えた推奨量
ビタミンDは、きくらげを代表としたきのこ類や鮭などの魚介類に多く含まれています。穀類や野菜には含まれておらず、肉類にもほとんど含まれていません。
カルシウムやリンの吸収を助け、丈夫な骨や歯をつくる働きがあります。
ビタミンDが不足すると、骨が弱くなるリスクがあります。妊婦や子どもは骨軟化症やくる病、成人では骨粗鬆症を引き起こすリスクが高まります。妊娠中は赤ちゃんの骨格形成にも影響するため、意識的に摂り入れていきたい栄養素のひとつです。
2025年版では、ビタミンDの皮膚での合成も加味した北欧諸国の食事摂取基準における推奨量と現在の摂取量の中間値を採用し、目安量※2が設定されました。成人の目安量「8.5㎍/日→9.0㎍/日」に引き上げられました。また、ビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られるため、食事からの摂取を行うとともに、適度に日光当たることも大切とされています。
連載第3回後編では、数値に変化のあった水溶性ビタミンについてご説明します。
是非次回もご覧ください。
※1 耐容上限量(UL: Tolerable Upper Intake Level)
過剰摂取による健康障害の回避を目的とし、ある性・年齢階級に属するほとんどの人々が健康障害を起こさないと考えられる最大の摂取量を示す指標です。これを超えると、過剰摂取による健康障害のリスクが高まる可能性があります。なお、十分な科学的根拠が得られない栄養素については設定されていません。
※2 目安量
目安量(AI: Adequate Intake)は、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)や推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)を設定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、現在の摂取状況や知見をもとに、健康維持に十分と考えられる平均的な摂取量を示す指標です。
※3 推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)
摂取不足の回避を目的とし、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)を基に算定されます。ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(約97〜98%)が必要量を満たし、健康を維持できると推定される1日の摂取量です。
出典:
日本人の食事摂取基準(2025年版)報告書| 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf
日本人の食事摂取基準(2020年版)報告書| 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
【連載第1回】日本人の食事摂取基準 2025年版で変更された栄養素 ― 2020年版から2025年版で変更された栄養素
https://www.elevit.jp/ninkatsu/news/DRI2025/20260330/
【連載第2回】日本人の食事摂取基準 2025年版で変更された栄養素 ― 脂質(脂肪酸)
https://www.elevit.jp/ninkatsu/news/DRI2025/20260409/
【エレビット公式サイト人気コンテンツ】
【管理栄養士監修】妊婦さんが気をつけたいビタミンA・β-カロテンについて
https://www.elevit.jp/ninshin/articles/foods/checkvitamina/
妊婦さんのお役立ち 健康ニュース:妊婦さんが気をつけたいビタミンAについて
https://www.elevit.jp/ninshin/news/20250403-3/
ビタミンD|含まれる食べ物は?妊活・妊娠中に必要?
https://www.elevit.jp/nutrition/folic-acid/vitamind/
妊活・妊娠中に必要なビタミンDについて 黒田恵司先生&善方裕美先生
https://www.elevit.jp/doctorqanda/12/
Last Updated : 2026/Apr/9 | CH-20260401-07