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妊活中の方に関わる健康ニュース

【連載第2回】日本人の食事摂取基準 2025年版で何が変わった? ― 脂質(脂肪酸)

2026年4月9日
 

脂質は、たんぱく質、炭水化物と並ぶ3大栄養素の1つです。連載第1回でご紹介した通り、日本人の食事摂取基準 2025年版では脂質の一部を構成する脂肪酸の数値が更新されました。特に「脂肪酸」は脂質の主成分であり、健康や赤ちゃんの発育にも深く関わっています。今回は、脂肪酸の種類とその重要性について解説します。


脂肪酸の種類

脂肪酸は、その化学構造の違いによって、炭素間の二重結合のない「飽和脂肪酸」と炭素間の二重結合のある「不飽和脂肪酸」に大きく分けられます。
 

飽和脂肪酸は常温で固体のものが多く、バターや肉の脂身などに含まれます。飽和脂肪酸の過量な摂取は血液中のLDL(悪玉)コレステロールを増加させ、脈硬化(心筋梗塞や脳梗塞)などの循環器疾患のリスクが高まることが知られています。また、エネルギー源の1つであるために、肥満の危険因子でもあることから、摂取の目標量が設定されています。
一方、不飽和脂肪酸は常温で液体のものが多く、植物油や魚に多く含まれます。

一般的に飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることで、血中の脂質に良い影響を与えることが期待されています。飽和脂肪酸の摂取量を減らすことは、健康な人だけでなく、すでに脂質異常症、特に高LDLコレステロール血症の患者に重要です。これは、病気の予防だけでなく、症状の重症化を防ぐためにも必要とされています。

さらに不飽和脂肪酸は、炭素間にある二重結合の数で分別され、二重結合の数が1つだけ存在する脂肪酸を一価不飽和脂肪酸といい、2つ以上ある脂肪酸を多価不飽和脂肪酸と言います。二重結合の位置によって、「n-3系」と「n-6系」に分類されます。

一価不飽和脂肪酸は、オレイン酸を多く含むオリーブオイルや、アボカドやナッツ類に豊富に含まれます。オレイン酸は酸化や加熱に強く、炒め料理に使用するなど加熱調理に向いています。

多価不飽和脂肪酸であるn-3系脂肪酸n-6系脂肪酸は体内で十分に合成することができないため、「必須脂肪酸」と呼ばれ、食品からの摂取が必要です。

n-6系脂肪酸は、大豆、コーン、ひまわり等の植物油に含まれるリノール酸や、レバー等に含まれるアラキドン酸が含まれます。飽和脂肪酸から置き換えた際に冠動脈疾患の予防に役立つ可能性が示唆されていますが、摂り過ぎは望ましくない場合があります。また、n-3系脂肪酸との適切な摂取バランスを保つことも重要です。日本人の食事摂取基準 2025年版では、推定平均必要量※1算定するための有用な研究が存在しないとことなどから判断され、摂取量の中央値が目安量※2として設定されています。目安量の数値が更新され、18歳以上の男性、10歳以上の女性で、わずかに引き上げられました。

n-3系脂肪酸は、亜麻仁油やえごま油等に含まれる細胞膜の構成成分の1つであるα-リノレン酸と、マグロやサバ、イワシなどの青魚に含まれるDHA、EPAがあります。欠乏すると皮膚炎等が発症するとされています。n-3系脂肪酸は一般にオメガ3脂肪酸と言われ、近年の健康意識の高まりにより注目されています。熱により酸化しやすいため、加熱処理には適していないという弱点がありますので、サラダのドレッシングやお刺身などで摂ることをおすすめします。

n-3系脂肪酸は、冠動脈疾患予防・認知機能改善の効果が報告されていますが、推奨量※3を設定するまでには至ってはいません。n-3系脂肪酸も、摂取量の中央値が目安量として設定され、数値が更新されています。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、DHAとEPAを含むn-3系脂肪酸の1日あたりの目安量は、2020年版よりも増え、30~49歳の男性で2.2g、女性で1.7gが設定されています。
 


n-3系脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、神経組織の重要な構成脂質であり、脳や神経の機能の維持に寄与しています。また、妊娠期や授乳期には、胎児の脳の発達に関わる重要な栄養素として、より多くのn-3系脂肪酸の摂取が必要と考えられています。年齢を問わず重要な栄養素ですが、特に妊娠中はその摂取が望ましいとされています。

連載第3回は、妊活中にも重要なビタミンについて詳しくご説明します。
是非次回もご覧ください。

 

※1 推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)
摂取不足の回避を目的とし、健康な人(概ね自立した日常生活を送ることができる人)を対象に、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定したものです。その集団の約50%がこの量を摂取すれば、必要量を満たし健康を維持できると推定される1日の摂取量です。

※2 目安量と目標量
目安量(AI: Adequate Intake)は、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)や推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)を設定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、現在の摂取状況や知見をもとに、健康維持に十分と考えられる平均的な摂取量を示す指標です。
目標量(DG: Tentative Dietary Goal for Preventing Lifestyle-Related Diseases)
生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(またはその範囲)を示す指標です。生活習慣病の重症化予防やフレイル予防を目的として設定される栄養素については、区別して示される場合があります。

※3 推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)
摂取不足の回避を目的とし、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)を基に算定されます。ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(約97〜98%)が必要量を満たし、健康を維持できると推定される1日の摂取量です。

出典:
日本人の食事摂取基準(2025年版)報告書| 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf
日本人の食事摂取基準(2020年版)報告書| 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf


【連載第1回】日本人の食事摂取基準 2025年版で変更された栄養素 ― 2020年版から2025年版で変更された栄養素
https://www.elevit.jp/ninkatsu/news/DRI2025/20260330/

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Last Updated : 2026/Apr/9 | CH-20260401-07