エレビット

妊娠中に必要だけど実は摂りづらいDHA

妊娠中は、DHA がたくさん含まれている魚介類などを食べて、バランスよく栄養を摂ることが欠かせません。
妊娠期間に十分な摂取が大切とされるDHAについてみていきましょう。

妊娠中に必要な栄養素

妊活・妊娠中、さらに出産、授乳期にかけて、葉酸や鉄分、DHAを含むn-3系脂肪酸などの栄養素が特に必要だといわれています。またこうした栄養素は、妊婦さんがどの段階にあるかで必要量が変わっていきます※1。

妊娠中に必要だけど実は摂りづらいDHA

※1: 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版) 」策定検討会報告書  
※2: 240μgを食品から摂取、付加量として400μgを通常の食品以外の食品(サプリメントなど)から摂取  
※3: 通常の食品から摂取 

ここでは妊娠期間に十分な摂取が大切とされるDHAについてみていきましょう。

 

DHAはどういった理由で、どのようなタイミングで必要なのか

妊娠初期から中期にかけて、赤ちゃんの神経細胞が増殖していきます。神経細胞にはDHAが多く含まれています。

1)Bee H and Boyd D: The Developing Child, Pearson, 29 55 ( より改変
2)大隅典子 : 脳の発生・発達 神経発生学入門 9, 119, 朝倉書店 ( より改変
3)Hadders Algra , M.: Neurosci Biobehav Rev 92, 276 290(2018)
4)Stiles, J. and T.L. Jernigan: Neuropsychol Rev 20(4), 327 348(2010)
より改変して作図

妊娠中期から後期にかけて、赤ちゃんの脳が発育して脳の重量も増えていきます。脳の発育のためにはDHAをはじめとする脂肪酸が多く必要になります。

1)Huang H et al.: J Neurosci 29(13), 4263 4273 (2009)
より改変して作図

1)山城雄一郎 : 日本未熟児新生児学会雑誌 15(2), 199 207 (2003)
より改変して作図

妊娠後期になると、妊娠初期から中期にお母さんの体脂肪の中に溜められたDHAを含む脂肪酸が、胎盤を通じて赤ちゃんに届けられます。

1)岡田知雄 : オレオサイエンス 11(10), 365 371 (2011)
より改変して作図

こうしたことから、DHAは妊娠中を通して必要な栄養素であるといえます。

 

日本人女性のDHAの摂取量が年々減っている

妊娠中に必要だとされるDHAは、魚介類に多く含まれています。ところが、20~30代の日本人女性は、肉類の摂取量が増えている一方で、魚介類の摂取量は徐々に減っており、平成15年と平成30年で比較したときに、15年間で約30%も減少しています。そもそも、現代の女性は昔と比べてDHAが摂取できていないのです。

厚生労働省:国民健康・栄養調査(平成15年〜平成30年)

妊娠中の女性が魚介類を控えてしまうその理由

DHAが多く含まれており、妊娠中のママのバランスの良い栄養に欠かせないのが魚介類です。妊娠経験者に行ったアンケート調査によると、妊娠中は70%以上の女性が食生活に気を遣っていることがわかっています。

しかし、実際の魚介類の摂取についてみてみると

  • 食生活に気を遣う女性で、多くの人が避けるアルコール、カフェイン、生卵に続いて魚介類があがった
  • 60%以上の妊婦がつわりにより食事量が減少し、中でも234名の妊婦は、においが気になる、ムカつきがあることを理由に「魚介類が食べられなかった」と回答した
  • 70%以上の女性が胎児への水銀の影響を認識しており、食べる魚の種類や摂取量に注意していた

といった現実がありました。

多くの妊婦さんは魚介類を食べた方がいいとわかっているけれど、つわりや水銀の影響で食べにくかったり摂りづらかったりして、実際にはそれほど魚介類を食べることができていないようです。

*アンケートデータ
対象:健康情報サービス「ルナルナ」ユーザー4,585名
方法:ユーザーアンケート調査(インターネット)
2020年12月実施

DHAを多く含む食べ物は?

DHAは、魚介類や海苔などに多く含まれています。特に魚介類は栄養が豊富なので、妊娠中に必要なバランスの良い食事には欠かすことができません。

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Last Updated : 2021/Oct/4 | L.JP.MKT.CH.06.2021.2582