Home学ぶ:妊活中の心とからだ妊活中の方へ いま、私たちにできること~新型コロナウイルス流行について妊活相談室【医師に聞きました】

妊活相談室
【医師に聞きました】

Q&A

新型コロナウイルス感染症が流行する中、妊活中のエレビット会員の皆さんが抱える質問や悩みについて、俵 IVF クリニックの俵史子先生にお答えいただきました。

本ページの医師の回答はすべての方に当てはまらない場合があります。ご自身について気になることがあれば、かかりつけ医師に相談することをおすすめいたします。

年齢を考えると余裕がないため、妊活継続か中断かとても迷っています。何を基準に決断すればよいですか?

まず、今回のコロナウイルスの流行に関わらず、30代半ばを過ぎてくると、妊娠に対して何らかの治療が必要になる方が多くなってきます。
そのため、通院されている方は、卵巣の状態を評価するAMH(抗ミュラー管ホルモン)というホルモンの値などを指標にして、積極的に治療をするのか、少し間をあけるのか、主治医と相談しながら決められるとよいと思います。
通院されていない方は、基礎体温を見直してみましょう。低温期と高温期が分かれているか、高温期が14日間程度あるか、生理の周期は以前に比べ短くなったり長くなったりしていないかなどが主な確認事項です。生理周期が短い方の中には、卵巣内に存在する卵子の数が極端に少なくなっていることがあります。以前に比べて短くなってきているという方は、一度、受診をされて産婦人科の先生に相談されるとよいでしょう。

体外受精を検討しています。もし、感染に気付かず採卵・移植しても、赤ちゃんに影響はないでしょうか?

「採卵及び卵子の凍結の段階では、コロナウイルスの影響は考えなくてよい」というのが、現段階での統一見解と認識いただいて良いと思います。
ただ、移植ということになりますと、妊娠した場合のその先のことを考えたうえで、慎重な判断が求められます。仮に妊娠中に感染してしまうとさまざまな制限がかかり、赤ちゃんへの影響が起こらないと言い切ることはできません。(参照:いま、わたしたちにできる妊活【医師監修】)。そのリスクを十分に主治医の先生と相談されることをお勧めいたします。

現在不妊治療中です。同居者に感染疑いの人がいる場合、家でどのように対応すれば良いでしょうか?

不妊治療で通院中や妊活中であっても、対応は基本的に一般の人と変わりありません(参照:厚生労働省HP)。どれだけ感染疑いのある方と接触なく生活するかということになります。通院中の方は、治療を継続できるかどうかを、まずは通院されている施設にご確認ください。

外出自粛で通常通りの運動量が確保できません。今も毎日30分のヨガや1日1000歩の散歩をしていますが、それで十分なのか不安です。

運動に関する目安は「ちょっと身体が疲労するくらい」をお勧めしています。もし、運動の量が確保できなければ、少し汗をかくような、ある程度負荷のかかる運動を意識されてみてください。例えば、筋トレの様な要素を取り入れるなどです。最近では無料の運動サポートアプリなどもありますので、参考にされてみても良いかもしれません。

ストレス発散のため外で運動したいです。感染予防の面から、運動する場所や方法などで注意すべきことはありますか?

外で運動できる環境があれば、周りの人と距離をあける、マスクをつけるなど普段と同じことに注意してください。少し話はずれますが、日光を浴びるとビタミンDが生成され、それが妊娠にもプラスに働くということが最近注目されています。
外に出ての運動が難しい状況ですが、ベランダに出て日光を浴びるだけでも、身体に良い効果が得られると思います。

通常の妊活より気をつけなくてはいけないこと(食事ならこれを積極的に食べた方がいい等)はありますか?

通常時よりも食べなければならないものは特にないと思います。逆に時間ができてカロリーオーバーにならないよう、お菓子は控えるなど気を付けて頂くことが大切かもしれません。妊娠した後のことを考えると、今から葉酸・鉄・カルシウム・ビタミンはしっかり摂っておいてもらった方が良いですね。

運動量が減ってる分、適切な食事量やカロリーがわかりません。どのように調整すればよいですか?

細かくカロリー計算をして制限する必要はないと思っています。極端に1種類のものを過剰に食べるのではなく、きちんと3食バランスの取れた食事を心がけてください。あとは、食事の時間はある程度毎日同じにしてリズムを付けたり、楽しい間食もするけど、摂りすぎたら運動で消費するなど、色んなことのバランスを考えながら調整してみてください。

夫との衝突が増えています。パートナーと良い関係を築くためのポイントなどはありますか?

実際私のクリニックにもこのような悩みを抱えている方はいらっしゃいます。医師だけでなく看護師やカウンセラーも相談にのっています。ご家庭の状況は皆様それぞれですので、ベストな答えはないかもしれませんが、まずは誰かに話してみて頂くだけでも、お気持ちが軽くなるかもしれません。
また、時間ができたからこそ、今後の将来のことをお二人でゆっくり話す時間が作れるチャンスと考え、ポジティブにとらえてみても良いかもしれません。

妊娠した場合、受け入れてもらえるのか、検診に行っていいのかなど心配です。

妊婦さんを受け入れる体制が地域でかなり変化してきている可能性がありますので、通院されている方は主治医の先生に聞いてみるなどして、専門家からの情報を参考にしてください。また、日本産婦人科学会や日本産婦人科医会が検診や分娩についてコメントを出しています。細かいところまでわかりやすい言葉で書かれているので、一度確認してみてください。

もし、不妊クリニックに行きたいなと思った場合、この状況の中でも診察はして頂けるのでしょうか?

施設によって違いますが、多くの施設は初診を含めて受け付けていると思いますので、一度ご検討中の施設に連絡をされてみてください。当院も感染リスクが高くないかなど確認をさせていただきながら、初診や妊活検診をご希望の方は受け入れています。また、一般的な情報であればオンライン診療でも得ることはできると思います。もし、オンライン診療を行っている施設があれば、最初のステップとしてご利用されるのは良いと思います。

本インタビューは2020年4月30日に実施されました。

最新の情報に関しては学会ホームページ等も併せてご参照ください。

メッセージ

現在の状況では「できない」という否定的なことに焦点を当てて考えがちですが、逆に生活習慣を改善したり、新しいことにトライできるいいチャンスでもあると思います。もし、妊活・不妊治療をお休みすると決められても、再開した後に自分の身体がプラスになっていることをイメージして、前向きに過ごして頂ければと思います。

俵 史子先生プロフィール

俵 史子先生
医療法人社団 俵IVFクリニック 理事長、院長

医療法人社団 俵IVFクリニック 理事長、院長。国立大学法人浜松医科大学臨床教授。開院以来、約8,000組のカップルが妊娠した実績をもつ。不妊症の患者さんと20年以上携わった経験から、妊娠に近づく第一歩は患者さんとの信頼関係であると確信し、「納得・理解して進む治療」と「オーダーメード治療」を特徴とする不妊治療を実践している。さらに妊娠後、順調な妊娠経過で元気なお子さんを出産してもらうために、地域の産婦人科へうまくバトンタッチできるような連携も心がけている。