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妊婦さんのお役立ち 健康ニュース:厚生労働省の「出産なび」、ご存じですか? ― 出産施設選びのポイント! 

2026年6月19日
 

「出産なび」は、厚生労働省が運営する、妊婦さんが、地域やサービス、費用を踏まえて出産施設を探せるサイトです。2026年2月現在、全国の病院、診療所、助産院など、出産を取り扱う施設のほぼ100%※1の情報が掲載されています。
これまで、妊婦さんにとって、出産施設を探す際には、施設ごとに公式サイトの情報量や構成が異なり、必要な情報を見つけにくいという課題がありました。このような施設選びの負担を軽減するために作られたのが「出産なび」です。「出産なび」には、各施設におけるスタッフや設備のほか、ケア・サービス等が同じ様式で一覧化されています。また、出産にかかる費用も、地域や施設によってばらつきがあり、施設選びの際にそれぞれの施設の情報を一つひとつ調べるのは簡単ではありませんでした。最新情報を掲載できるよう、費用情報は年に4回更新され、施設の情報は随時更新されています。

出産施設選びのポイント!

ポイント① 出産方法を知る

出産方法には大きく分けて「経腟分娩」と「帝王切開」の2種類があります。経腟分娩には、さまざまな出産方法があります。  

●経腟分娩 - 赤ちゃんが産道を通って生まれてくる方法。以下のような種類がある。
・自然分娩:陣痛が来てお産が始まる際、自然な陣痛やいきみによって、なるべく自然に出産する方法
・計画分娩:入院日を決めた上で、医療的手段(陣痛促進剤など)を用いて出産する方法
・吸引・鉗子分娩:吸引カップや鉗子(かんし)という器具を使って、赤ちゃんの頭を引っ張ったり誘導したりする方法
・無痛分娩:硬膜外麻酔などの鎮痛処置を行い、陣痛の痛みを軽減しながら出産する方法。多くの場合、陣痛促進剤を併用します。
●帝王切開 - 経腟分娩が危険な場合や、母体と赤ちゃんに緊急のリスクがある場合に、お腹を切開して赤ちゃんを取り出す方法。

ポイント② 出産施設の種類を知る

出産施設は病院、診療所、助産所に分類されます。病院の中には、リスクの高い妊産婦に対応する周産期母子医療センター指定病院があります。妊娠・出産に伴うリスク、施設の機能、自宅からの距離、施設ごとの特徴を理解し、自分に合った施設を選ぶことが重要です。可能であれば施設を見学するなど、実際の雰囲気を確認しておくとよいでしょう。

出産施設の種類

総合/大学病院
(産科・産婦人科)
医師がいる20床以上の入院設備を持つ施設。産科・産婦人科のみの場合と、他の診療科も備えている場合があります。出産は医師や助産師がサポートします。設備が整っており、チーム医療体制を組むことができるため、分娩時の緊急対応が可能です。ローリスクからハイリスクまで幅広く対応可能です。患者数が多い施設では、待ち時間が長くなることがあります。大学病院では、患者の同意のもと、研修医や学生が診察や分娩に立ち会う場合があります。
周産期母子医療センター指定病院母体・胎児集中治療室(MFICU)※2や新生児集中治療室(NICU)※3を備え、施設内の他の診療科と連携して高度な医療行為を行う「総合周産期母子医療センター」と、産科・小児科(新生児医療を担当するもの)を備え、周産期の比較的高度な医療行為を行う「地域周産期母子医療センター」があります。ハイリスクな妊娠・出産、新生児医療、緊急時の対応が可能で、地域の他の医療機関からの受け入れも24時間体制で行います。
診療所
(産院・クリニック)
医師がいる19床以下の入院設備を持つ施設。出産は医師や助産師がサポートします。規模は比較的小さくなりますが、個々のニーズに応じたきめ細やかなケアが受けられることも多く、個室や食事などの出産に関するサービスが充実しているところが多くあります。
助産所
(助産院)
助産師がいる9床以下の施設。有床助産所と無床助産所(出張分娩を扱う)があります。助産師が施設を管理し、出産は助産師のサポートのもとで行われますが、医師が行う医療行為は行われません。通常、正常分娩のみを取り扱います。妊娠中は、必要に応じて嘱託医や嘱託医療機関と連携して健診を行い、出産中に母体や赤ちゃんに緊急のリスクが発生した場合には、嘱託医療機関に搬送して対応します。助産師がいる9床以下の施設。有床助産所と無床助産所(出張分娩を扱う)があります。助産師が施設を管理し、出産は助産師のサポートのもとで行われますが、医師が行う医療行為は行われません。通常、正常分娩のみを取り扱います。妊娠中は、必要に応じて嘱託医や嘱託医療機関と連携して健診を行い、出産中に母体や赤ちゃんに緊急のリスクが発生した場合には、嘱託医療機関に搬送して対応します。また、出産後の母子に対するケアが手厚く行われる傾向があります。

ポイント③ 施設概要の確認

施設種別の確認(周産期母子医療センターであるか、入院設備があるかなど)
ベッド数(産科/NICU)
産科専用の病棟か
年間の分娩件数(経腟分娩・帝王切開)
医師数(産科医・小児科医)/助産師数
入院中の検査や出産後の健診ができるか
土日の外来などの有無

ポイント④ 希望の出産方法の可否の確認

どのような無痛分娩ができるか(無痛分娩は24時間対応なのか等)
立ち会い出産ができるか

ポイント⑤ サービス内容

母子同室の可否
個室があるか
助産師外来※4や院内助産※5があるか
入院中に母乳指導などを受けられるか
育児のサポートをしてくれるか

ポイント⑥ 費用面の確認

妊娠から出産までにかかる費用には、大きく「最初の妊娠確認のための検査」「妊娠中に受ける妊婦健診」「出産」の3つがあります。このうち、「出産なび」では、「出産」にかかる費用を掲載しています。
分娩にかかる費用の総額(出産育児一時金を差し引く前の金額)
入院日数の目安
室料差額等を除いた出産費用
出産育児一時金の直接支払制度への対応

出産費用は年々増加 - 出産費用の平均と保険給付・自治体の助成
出産費用は年々増加しており、厚生労働省の調査によると、出産費用の総額は全国平均で約59万円(2024年度)となっています。この金額には、入院費用や検査・薬の費用、個室代、食事代などが含まれています。帝王切開などを除き、通常の出産は保険適用外の自由診療となるため、料金設定は各施設によって大きく異なります。同じ施設内でも妊婦さんの医学的な事情や選択するケア・サービスによっても費用が変動することがあります。

さらに、地域によっても出産費用は異なります。例えば東京都の平均は約75万円ですが、熊本県の平均は約46万円。里帰り出産を検討されている方は里帰り先の出産費用の相場をあらかじめ把握しておくことをおすすめします。
帝王切開などを行った場合、その分については保険が適用され自己負担が3割などとなりますが、全体の支払金額が必ずしも安くなるわけではない点に注意が必要です。

出産時には、公的制度として健康保険から出産育児一時金(原則50万円)を受け取ることができますので、その差額が自己負担となります。現在、多くの施設では「直接支払制度」を導入しているため、退院時の窓口での支払い額を出産育児一時金が差し引かれた額に抑えることが可能です。

また、自治体によっては、独自の助成制度を設けているところもあります。(横浜市は最大9万円など)お住まいの地域を確認してみましょう。
このように出産費用は施設や出産方法などによりさまざまです。よく情報を確認してみましょう。

出産は人生の中で大切なライフイベントの一つです。最優先なのは、お母さんも赤ちゃんも無事に出産を終えられることです。母子の健康状態や妊娠・出産に伴うリスク、受けられるケア・サービス、費用などを総合的に考慮し、ご自身やご家族にとって安心できる出産施設を選ぶことが大切です。

「出産なび」に、ぜひ一度アクセスしてみてください。施設選びのポイントは人それぞれです。さまざまな条件で検索が可能で、便利なお気に入り登録機能もあります。出産費用や施設のサービス内容を比較しながら、ご自身に合った出産施設選びの参考にしてみてください。
 

※1 掲載施設の基準に関して:
 ・ 出産育児一時金の直接支払制度を利用しており、1年間の分娩取扱件数が21件以上の施設
 ・ 上記を満たさないが、掲載を希望する施設(分娩を取り扱う場合に限る)
 (参考)掲載されていない施設
 ・ 分娩を取り扱わない施設(妊婦健診のみ・人工妊娠中絶のみを取り扱う場合を含む)
 ・ 出産育児一時金の直接支払制度を利用しておらず、掲載を希望していない施設
 ・ 出産育児一時金の直接支払制度を利用しているが、1年間の分娩取扱件数が20件以下であり、掲載を希望していない施設
 ・ 開業して間もない施設

※2 MFICU: Maternal Fetal Intensive Care Unit(母体・胎児集中治療室)
ハイリスクな妊娠や出産、産科救急に対応するため、お母さんとお腹の赤ちゃんの両方を24時間体制で集中的に管理・治療する専門病棟です。妊婦に重症妊娠高血圧症候群・重篤な合併症・多胎妊娠などのリスクがある場合や、胎児に切迫早産や疾患が予想される場合に、妊婦や胎児が入院する施設です。状況に応じて、さまざまな診療科と連携を図りながら24時間体制で対応します。

※3 NICU: Neonatal Intensive Care Unit(新生児集中治療室)
早産児や低出生体重児、病気のある新生児に対して、新生児科医や看護師が24時間体制で専門的な治療やケアを行う病棟です。保育器や人工呼吸器などを用いて赤ちゃんの状態を管理しながら治療を行います。

※4 助産師外来:助産師が医師と連携しながら行う妊婦健診や保健指導のことです。

※5 院内助産:助産師が医師と連携しながら、妊娠中から分娩、産後ケアを一貫して行う体制のことです。


出典:
「出産なび」|厚生労働省
https://birth-navi.mhlw.go.jp/
「出産なび」用語解説ページ|厚生労働省
https://birth-navi.mhlw.go.jp/user-guide#info-section
「無痛分娩について」|無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)
https://www.jalasite.org/
「出産費用の状況等について」正常分娩の平均出産費用の年次推移|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001336297.pdf

 

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Last Updated : 2026/Jun/19| CH-20260604-85