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【連載第1回】日本人の食事摂取基準 2025年版で何が変わった? ― 2020年版から2025年版で変更された栄養素 

2026年3月30日
 

2024年10月11日、厚生労働省から「 食事摂取基日本人の食事摂取基準(2025年版)※1」が公表されました。
「日本人の食事摂取基準」は、5年ごとに見直され、食生活や栄養管理の指針として活用されています。
それでは、私たちの食生活に関わる栄養素は、2020年版からどのように見直されたのでしょうか?


1. 食事摂取基準とは?

私たちは日々の食事を通じて、さまざまな食品を摂取しています。私たちの体が必要としているのは、エネルギーと栄養素です。食事摂取基準とは、1日に摂取するエネルギーや34種類の栄養素について、どの程度摂ることが望ましいかを示した基準です。
日本では、健康増進法第16条の2に基づき、厚生労働省が5年ごとを目安に「日本人の食事摂取基準」を策定・公表しています。現在用いられているのが「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で、2025年4月に公表され、私たちの食生活や栄養管理の基本的な指針となっています。この食事摂取基準は、科学的な根拠に基づいた栄養政策を進めるための大切な基盤となっており、管理栄養士による給食の提供や、医師が健常者や病気の方々に対して行う食事管理や栄養指導にも役立てられています。
 

2.  2025年版の日本人の食事摂取基準(策定検討会報告書)の改定の背景と考え方

かつての食事摂取基準は主に健康な人だけを対象にしてきました。2010年版からは「生活習慣病のリスクを持つ人」も対象に含まれるようになり、2015年版では「重症化予防」という考え方が取り入れられました。
その結果、食事摂取基準は、健康の維持・増進や生活習慣病の予防だけでなく、病気の進行を防ぐための食事管理や栄養指導を支えるガイドラインとしての役割も担うようになっています。
さらに2025年版では、「健康日本21(第三次)※2」の方針を受け、新たに「生活機能の維持・向上」という視点が加えられました。
 

出所:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)の策定ポイント※3
出所:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント※4
 

 3.  食事摂取基準(2025年版)の主な変更点

①「生活機能の維持・向上に係る疾患として「骨粗鬆症」が追加されました。
「生活習慣病及び生活機能の維持・向上に係る疾患等とエネルギー・栄養素との関連」において、「骨粗鬆症」が追加され、4疾患から5疾患へと拡大しています。これは生活習慣病と生活機能の維持・向上に関わる疾患等の予防に、栄養素の習慣的な摂取量が深く関連し、高齢化社会においての対策の重要性が考えられたためです。重症化予防の観点からも、主に中高年者を対象とした脆弱性骨折リスクと食事要因の関連について述べられています。
 


② アルコールの取り扱いの変更(炭水化物からエネルギー産生栄養素バランスの項へ)

アルコールは、日本人の食事摂取基準2020年版までは炭水化物の項に含まれていましたが、アルコール(エタノール)は栄養学的にも化学的にも炭水化物とは異なる物質であり、必須の栄養素でもないことから、2025年版では栄養素としては扱われなくなりました。ただし、アルコールはエネルギー源となるため、エネルギー産生栄養素バランスの章で触れています。
 

③ 栄養素ごとの主な改定ポイント

2025年版は2020年版よりも、さらに摂取推定量の重要性が強調され、そのむずかしさや注意点について説明されています。
ここからは、栄養素の分類ごとに、主なポイントを見ていきましょう。
 

I. たんぱく質 

たんぱく質は、肉類、魚介、卵、乳製品等の他、大豆製品にも多く含まれる栄養素です。骨、筋肉、臓器など体をつくる重要な主成分で、アミノ酸から構成されます。たんぱく質は他の栄養素から体内で合成できず、必ず食事から摂取しなければならない栄養素です。今回は指標の変更はありませんでした。
 

II. 脂質

脂質は、バター、マヨネーズ、生クリーム等の油脂製品、脂身の多い肉等に多く含まれます。脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やカロテノイドの吸収を助けます。コレステロールも脂質の一種です。脂質の指標には変更はありませんでしたが、脂質の一部を構成する脂肪酸の目安量※5の数値が更新されています。

脂肪酸については、連載第2回で詳しくご説明します。
 

III. 炭水化物

私たちが主食として食べているお米やパン、麺類などに多く含まれる炭水化物は、体内でエネルギー源となる「糖質」と、消化されにくい「食物繊維」の2種類に分けられます。炭水化物の指標自体には変更はありませんでしたが、測定法の変更により、食物繊維の目標量の数値が更新されています。


IV. ビタミン

ビタミンは、エネルギーや体の組織をつくるのを助け、生殖機能や免疫機能などの体の機能を維持する作用があります。三大栄養素に比べて、必要量は少なく微量栄養素といわれますが、人間にとって必要不可欠な栄養素です。体内では合成できないか、合成できても十分な量ではないので、食べ物から摂取する必要があります。ビタミンは全部で13種類あり、脂溶性ビタミン水溶性ビタミンに分類されます。


【脂溶性ビタミン】

ビタミンA
動物性食品のレバーやウナギ等に含まれるレチノールという形と、ほうれん草等の緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンとして存在する形があります。カロテンは摂取後、体内でビタミンAに変わります。ビタミンAの過剰摂取による肝臓障害を回避する目的で、耐容上限量が定められていますが、算出の元になったデータが更新されたため、一部変更になりました。

・ビタミンD
きくらげを代表としたキノコ類や、魚介類に多く含まれます。以前は日光の影響を考慮しないアメリカ・カナダの数値を参考にしていましたが、2025年版は、より日本人の実態に近づけるため北欧諸国の食事摂取基準における推奨量と日本人の摂取量の中間値が採用され、日照時間が考慮され、目安量※7が見直され、全体的に少し上がっています。


【水溶性ビタミン】

・ビタミンB1
豚ヒレ肉、たらこ、生ハム等に多く含まれます。新しく生体指標(バイオマーカー※11)を用いて推定平均必要量※7を設定したため、推定平均必要量、推奨量※8の数値は全面的に下がりました。

ビタミンB12
シジミ、アサリなどの魚介類、焼きのり、レバーに多く含まれます。ビタミンB12の栄養状態を表すバイオマーカー※9 (生体指標)に基づいた算定に変更されましたが、ビタミンB12欠乏症の回避に必要な最小摂取量算定の科学的根拠は十分ではないため、目安量のみの設定になりました。

葉酸(ビタミンB9)
ビタミンB群の1種で、ブロッコリーやほうれん草、アボカド等の緑黄色野菜に多く含まれます。動物性食品の中では鶏・牛レバーに多く含まれます。焼きのりにも多く含まれます。2025年版では、従来の算定方法の方針を引き継ぎ、大きな変更はありませんでした。調査対象者の数値の変化とその丸め処理により一部更新されています。

・ビタミンC
赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれ、水溶性ビタミンで、抗酸化作用があり、コラーゲン合成に関与しています。2025年版では、新たなバイオマーカー(生体指標)が適用されたため、数値が更新され、0~14歳の推奨量と推定平均必要量の数値が全般的に下がっています。

ビタミンについては、連載第3回で詳しくご紹介します。
 

V. ミネラル

ミネラルとは、ヒトの体に微量に存在する栄養素です。生体機能の調整や体の構成材料として重要な役割を果たします。体で必要なミネラルの量はわずかですが、体内で合成ができないため食べ物から摂取することが必要です。


青のりなどの一部の海藻類、豚や鶏のレバー等の赤身の肉、魚介に多く含まれます。これまで設定されていた鉄の耐容上限量※9 は科学的根拠が十分でないため撤廃されました。

・亜鉛
カキ、魚介類や海藻類、レバー等の肉類、豆類に豊富に含まれています。2025年版では、策定方法に変更はありませんでしたが、乳児の目安量は、母乳の栄養量から換算されているため、目安量の年齢区分の0~5、6~11月で変更があり、乳児の目安量以外の数値は、尿中排泄量に関して日本人の数値を採用したことにより、精度が向上し、鉄と同様に0.5mg刻みで示されるようになりました。

・マンガン
生姜等の根菜類やバジル、豆苗等の葉物野菜等に含まれています。目安量が、基準値を算出するために参照したデータが更新されたため、数値が更新されています。3~5歳は1.5から2.0に上がっていますが、12歳以上の数値が0.5~1.0の範囲で全般的に下がっています。

・ヨウ素
海藻(昆布、わかめ、ひじき、のりなど)に多く含まれています。成人の推定必要量は130μg/日から140μg/日に見直されたことにより、推定平均必要量と推奨量の数値は全般的に上がっています。ヨウ素の過剰摂取は甲状腺に問題を引き起こすことがあるため、耐容上限量が設定されています。2025年版では、乳児の耐容上限量は350μg/日、小児の耐容上限量も大幅に引き上げられています。

鉄、亜鉛、マンガンは、連載第4回で、また詳しくご解説します。

本連載では、日本人の食事摂取基準(2025年版)で変更された主な栄養素のうち、エレビットにも配合されている栄養素を中心に、栄養素の分類ごとに解説 していきます。

次回もぜひご覧ください。


※1 日本人の食事摂取基準(2025年版)報告書| 厚生労働省
※2 厚生労働省 健康日本21(第三次)の概要001158810.pdf
※3 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)の策定ポイント|厚生労働省
※4 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定ポイント(スライド集)|厚生労働省

※5 目安量と目標量
目安量(AI: Adequate Intake)は、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)や推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)を設定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、現在の摂取状況や知見をもとに、健康維持に十分と考えられる平均的な摂取量を示す指標です。
目標量(DG: Tentative Dietary Goal for Preventing Lifestyle-Related Diseases)
生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(またはその範囲)を示す指標です。生活習慣病の重症化予防やフレイル予防を目的として設定される栄養素については、区別して示される場合があります。

※6 耐容上限量(UL: Tolerable Upper Intake Level)
過剰摂取による健康障害の回避を目的とし、ある性・年齢階級に属するほとんどの人々が健康障害を起こさないと考えられる最大の摂取量を示す指標です。これを超えると、過剰摂取による健康障害のリスクが高まる可能性があります。なお、十分な科学的根拠が得られない栄養素については設定されていません。

※7 推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)
摂取不足の回避を目的とし、健康な人(概ね自立した日常生活を送ることができる人)を対象に、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定したものです。その集団の約50%がこの量を摂取すれば、必要量を満たし健康を維持できると推定される1日の摂取量です。

※8 推奨量(RDA: Recommended Dietary Allowance)
摂取不足の回避を目的とし、推定平均必要量(EAR: Estimated Average Requirement)を基に算定されます。ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(約97〜98%)が必要量を満たし、健康を維持できると推定される1日の摂取量です。

※9 バイオマーカー
ある栄養素の摂取量や栄養状態を客観的に評価するために使われる生体内の指標(生体成分や生理的反応)のことです。血液、尿等の生体試料中に含まれる物質や、体の生理的反応を通じて、特定の栄養素の摂取量や体内での利用状況、健康への影響を反映する指標を指します。ある栄養素の摂取量や栄養状態を客観的に評価するため利用されます。例えば、ナトリウムやたんぱく質摂取に対する尿中ナトリウムあるいは窒素排泄量、各種ビタミンの血清中濃度等

参考文献:「八訂食品成分表2025」香川 明夫 監修、佐々木敏・東京大学名誉教授「日本人の食事摂取基準」解説

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Last Updated : 2026/Mar/30 | CH-20250917-54