トップ>妊活中の方に関わる健康ニュース>いまなぜプレコンなの?– 人生100年時代をより健やかに生きるために
いまなぜプレコンなの?– 人生100年時代をより健やかに生きるために
2025年10月7日

リスクのある妊娠と不妊の増加
若い女性のやせと肥満の増加※1、出産年齢の高齢化※2などから、不妊やリスクの高い妊娠が増加しています。やせすぎも太りすぎも、将来の妊娠・出産に影響することがあるため、日ごろからバランスを意識することが大切です。さらに、男性の肥満も不妊リスクを高める報告があるため、パートナーと一緒に健康づくりに取り組むことをおすすめします。
出産年齢の高齢化
出産の年齢が高くなると、妊娠中や出産時に妊娠高血圧腎症や帝王切開分娩になる割合が増えることがあります。

国立成育医療研究センターでは、公益社団法人日本産科婦人科学会の周産期データベースを活用して分析を行い、母体年齢が高いほど合併症などのリスクが高まることを明らかにしました※3。
妊娠・出産で安心して臨めるよう、早めに体のケアを始めたり、医師に相談したりすることが大切です。
このような背景から、最近注目されているのが「プレコンセプション※4ケア(プレコン)」です。
プレコンとは、妊娠や出産の有無にかかわらず、自分の体や心を前向きに整えていくこと。将来の妊娠や出産への備えになるだけでなく、未来を担う子どもの健康につながり、さらに自分自身が長い人生を健康で快適に過ごすための基盤づくりにもなります。
人生100年時代をより健やかに生きるために
プレコンセプションケアを行って、妊娠や出産に関する正しい知識を得て行動し、妊娠前にリスクを減らしていくことが、健やかな妊娠・出産や生まれてくる赤ちゃんの健康につながります。
いまは妊娠や結婚を考えていなくても、プレコンセプションケアを実施することで、いまの自分のこころとからだの状況を知り、より豊かな人生へとつなげましょう。
今からできるプレコンケア
・生活習慣の改善:バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理を心がけましょう。
・葉酸の摂取:妊娠前から積極的に葉酸を摂取することで、赤ちゃんの病気の発生率を下げることが期待できます。
・定期的な妊婦健診:医師による継続的な健康状態と胎児の発育状態の確認は非常に重要です。
・早期の検査:妊娠を考え始めた段階で、隠れた病気がないかを確認する検査を受けることをおすすめします。
プレコンノートの活用
国立成育医療研究センターの提供している「プレコンノート」を使えば、プレコンセプションケアのポイントを学びながら、5つのプレコンActionを起こす準備ができます。

5つのプレコンAction※5
Action 1 いまの自分を知ろう | 性差などの体についての正しい知識を学びましょう。 適正体重、適度な運動、ストレス管理を心がけましょう。 |
Action 2 生活を整えよう | 喫煙・飲酒を控え、バランスの取れた食事、葉酸などの 必要な栄養の摂取や質の良い睡眠を心がけましょう。 |
Action 3 検査やワクチンを受けよう | 早期検査による隠れた病気の発見、 感染症対策をしましょう。 |
Action 4 かかりつけ医を持とう | かかりつけの婦人科や歯科をもち、月経不順、 持病や生活習慣病などの相談できる環境を整えましょう。 |
※ 精液精密検査(DFI検査)は、精液一般検査と併せて実施したものに限る。
できることから1つずつ取り入れることで、今の体調はもちろん、将来の妊娠や出産、そしてその先の人生を、より安心で豊かなものにしていくことができます。
人生100年時代に向けて、今からアクションを起こし、もっと健康で心地よい毎日を目指しましょう。
プレコンノートのダウンロード プレコンノート | 国立成育医療研究センター
プレコンセプションケアセンターについてプレコンセプションケアセンター| 国立成育医療研究センター
プレコン・チェックシートプレコン・ チェックシート | 国立成育医療研究センター
※1 令和5年 国民健康・栄養調査の結果の概要 001338334.pdf
※2 令和6年(2024)人口動態統計 結果の概要(表3) kekka.pdf
※3 日本における超高齢妊婦の妊娠予後を検証 | 国立成育医療研究センター
※4 コンセプション(Conception)は受胎、つまりおなかの中に新しい命をさずかることをいいます。
※5 5つのプレコンアクション | 国立成育医療研究センター
Last Updated : 2025/Oct/7 | CH-20250917-54