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体外受精へのステップアップを考えはじめたら知っておきたいこと
タイミング法、人工授精の次のステップは「体外受精」。体外受精とはどのような治療法なのか、どんな人がトライするべき治療なのか、不妊治療専門医に聞きました。高度な医療で時間もお金もかかる「体外受精」だからこそ、正しく知ることからスタートしましょう。体外受精を始める前に知っておきたいことを詳しくご紹介します。
出典:『赤ちゃんが欲しいクリニックガイド2021』主婦の友社
体外受精とはどんな治療?
「体外受精」は、女性の卵子を卵巣から取り出し(採卵)、男性の精子と出あわせて受精を待つ方法。また、1つの精子を選んで卵子に直接注入する方法を「顕微授精」といいます。いずれの場合も、受精して受精卵になったら数日間培養したのち、子宮に戻します(胚移植)。
2017年には5万人以上の赤ちゃんが、これらの治療で誕生しました。
どんな人が体外受精にトライしているの?
さまざまな要因がある「女性に原因」
両方の卵管が詰まっている、子宮内膜症がある、男性の精子をブロックしてしまう抗精子抗体を持っているなど、妊娠しにくい原因は多岐にわたります。
不妊カップルの半分は「男性に原因」
精子の数が少ない、精子の運動率が低い、射精した精液中に1つも精子が見当たらない無精子症など、不妊の約半数は男性側に原因があります。
実は意外に多い「原因不明」
検査では不妊の原因がなくても、受精障害、排卵した卵子が卵管に取り込まれないなど、現在の検査では発見できない問題が隠れているケースも。
体外受精はけっして珍しい治療ではありません
「体外受精」というと遠い世界の話のように感じるかもしれませんが、実は2017年には、日本で生まれた赤ちゃんの約16人に1人が体外受精・顕微授精などの高度な生殖医療で誕生しているという報告が。もはや特別な治療ではなくなっているのです。
とはいえ、薬(排卵誘発剤など)をたくさん使ったり、麻酔をして採卵したりするのですから、それまでの治療よりも体への負担が大きく、通院回数が増えるので時間もかかります。また、注射代や薬代なども含めて全額自費のため、治療費は高額に。
こうした点もふまえて、できるだけ少ない治療回数で妊娠できるように、体外受精の病院選びは慎重にしたいものです。
イラスト/高橋ポルチーナ
体外受精は「原因究明&検査」という視点も大事
体外受精は、「精子と卵子が出あって受精し、受精卵が成長して子宮に着床する」という、妊娠のプロセスに問題がないかどうかを見る検査の側面もあります。受精したかどうかは、それまで行ってきた検査では確かめるのが困難ですが、それがわかるのが体外受精なのです。
また、1回トライして妊娠しなかった場合、どこに問題があるのか探ることができます。たとえば、「受精卵の質がよくなかった」「着床に問題があった」など。すると、その点に注力して、次の治療を進めることができます。
このようなこともふまえ病院を選ぶことが大切。説明がないまま、同じ治療を何度も繰り返す場合は考えものです。
監修
幸町IVFクリニック 院長 雀部 豊先生
1989年東邦大学医学部卒業。同大学第1産婦人科に入局。93年同大学院修了。医学博士。同年アメリカへ留学し、着床前診断の研究に携わる。2002年幸町産婦人科副院長、11年幸町IVFクリニック院長。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Dec/13 | CH-20211130-109