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妊婦さんのお役立ち 健康ニュース: 赤ちゃんを守る”母子免疫ワクチン”の接種について
2025年9月9日
まだこれから生まれてくる赤ちゃんや乳児は感染症への免疫が未発達です。妊娠中にワクチンを接種することで、赤ちゃんに抗体を届ける「母子免疫」。
母子免疫ワクチンは、現在国内では主に2種類が使用されています。
一つは百日咳菌に対するワクチン、もう一つはRSウイルスに対するワクチンです。
これらのワクチンを妊娠中に接種することで、胎盤を通じて赤ちゃんに免疫が移行し、出生後の感染症予防に役立ちます。
百日咳の患者数は2024年以降再び増加傾向にあります。特に乳児では重い症状になることがあり、また一部にお薬が効きにくい菌(マクロライド耐性菌)が見つかるケースも増えています。日本では、生後2か月から百日咳を含むワクチン(3種混合ワクチンDPTや4種混合ワクチンDPT-IPV)を定期接種として受けられますが、その前の時期に感染してしまう赤ちゃんもおり、重症化が心配されています。
そのため海外では、妊娠後期のお母さんに百日咳ワクチンを接種して、赤ちゃんに免疫を届けて守る「母子免疫ワクチン」が勧められています。日本でも妊婦さんがこの接種を受けられるようになっており、厚生労働省の研究班によって安全性や赤ちゃんへの抗体の移行が確認されています。
また、RSウイルスは「毎年流行する軽い風邪のような病気」と思われがちですが、月齢の小さな赤ちゃんや年齢によっては重症になりやすく、乳児期に感染すると、喘息になりやすく将来のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に影響を及ぼす可能性がありますので、注意が必要です。日本では2024年からRSウイルスのワクチンが使えるようになっており、これまで特に大きな問題は報告されておらず、安全に利用できるとされています。
生まれた赤ちゃんには元気に育ってほしいですね。
母子免疫ワクチンの接種について、詳しくは妊婦健診の時に相談してみましょう。
日本産婦人科学会より、詳しい情報が提供されています。参考にしてみてください。
https://www.jsog.or.jp/citizen/7042/
Last Updated : 2025/Sep/9 | CH-20250901-34