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妊婦さんは薬が飲めない?花粉症や風邪・インフルエンザの対策ポイント
花粉症がひどいとき、風邪をひいたとき、頭痛があるとき。市販薬で対処することは珍しくありません。また、毎年インフルエンザワクチンを接種しているという方も多いことでしょう。
妊婦さんの場合、薬を服用したりワクチン接種したりすることは問題ないのでしょうか。詳しくみていきましょう。
妊娠期別にみる 妊娠と薬の関係
妊婦さんは、経過を追うごとに体が変化していくため、薬を服用する上で気を付けなければならないポイントも変わっていきます。
妊娠判明~妊娠初期(妊娠2ヶ月前後~4ヶ月前後)
赤ちゃんの心臓や消化器、主な神経がつくられる重要な時期です。赤ちゃんの見た目も、豆つぶのような形から、手足のある人間らしい体つきへと変わっていきます。
薬に対しては「過敏期」と呼ばれていて、奇形の心配がある頃です。中でも、もっとも過敏なのは妊娠4~7週頃。その後、8週~15週頃には薬による奇形の心配は少し落ち着きますが、外性器がつくられて男女へ分かれていき、「口蓋(こうがい)」という口の辺りが作られる頃で、これらの器官へ影響する可能性があります。
妊娠中期(妊娠5ヶ月)以降
いわゆる「安定期」と呼ばれる時期に入ります。だいたいの臓器ができてきているので、妊娠初期ほどには薬の影響を受けなくなります。とはいえ、赤ちゃんの体の機能はまだ未熟な状態で、薬の内容や量によっては正常な発育を妨げてしまうことがあります。たとえば、心臓や腎臓の機能に異常を起こす薬があることがわかっています。
妊婦さんが気をつけたい薬
妊婦さんでも飲む可能性のある身近な薬をとりあげて、気をつけたいポイントをみていきましょう。
一般的な解熱鎮痛消炎剤(発熱、歯の痛みや頭痛など痛みを和らげる薬)
「いつも使っている痛み止めだから大丈夫」と、自己判断するのは危険です。「痛み止め」と一括りにいうことが多いのですが、種類によって作用のプロセスに違いがあり、赤ちゃんへの影響も異なります。たとえば、解熱鎮痛消炎薬の中で妊娠中でも安全に使えるのは、「アセトアミノフェン」です。
使い慣れている薬でも妊娠中に使えるのかどうか、あらためて医師に確認するようにしましょう。
風邪や花粉症などの諸症状を和らげたいときの漢方薬
効き目が穏やかだから大丈夫、と思われがちな漢方薬。しかし漢方薬だからといって、体への負担が少ないということはありません。普段から漢方薬を服用している場合は、妊娠中に飲んで問題がないものか医師に確認するようにしましょう。
妊婦さんは妊娠していないときよりも風邪をこじらせて長引いたりしやすいので、体調が悪いときには医師に相談して、そのときの状態に合った薬を出してもらうほうが安心です。
花粉症治療などで用いられるアレルギー症状を和らげる薬
妊娠中は、鼻炎や花粉症の症状が出やすくなることがあります。妊娠中だからといって我慢せず、必要な治療は継続しましょう。点鼻薬や内服薬でも使える薬がありますので、かかりつけの医師に相談してみましょう。
花粉症の場合、市販薬と処方薬では、主成分の量、添加剤などの種類・量などが異なることがあるので、できるだけ病院で処方してもらうようにしましょう。その際、かかりつけ医には、妊婦であることを忘れずに伝えましょう。
そのほか(うがい薬、インフルエンザワクチンなど)
感染症予防のために、イソジンによるうがいを習慣化している人がいるかもしれませんが、妊娠中は使用を中止しましょう。イソジンはヨードを含むうがい薬であるため、習慣化すると、赤ちゃんの甲状腺に影響が出る可能性があります。うがいは水で行いましょう。
また、手洗いとアルコール消毒をしっかりと行って、風邪やインフルエンザ対策をしましょう。なお、インフルエンザワクチンは妊娠中も接種が可能です。予防や重症化を防ぐために接種を検討してもよいでしょう。
まとめ
妊娠がわかる時期には、すでにおなかの赤ちゃんの重要な器官が作られ始めています。何らかの薬を服用している場合には、すみやかに中断して主治医に相談しましょう。妊婦さんでも安心して使える薬はありますから、安全性を確認してから飲むようにしましょう。
不安や疑問に思うことがあれば、かかりつけの産婦人科の医師に相談してください。
この記事は2021年10月6日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Sep/30 | LMR-CH-20210907-33